入笠山行きシャトルバスの10時発に間に合うよう、中央本線富士見駅で集合する。すでに電車の中でオーバーパンツやスパッツを身に、スノーバスケットをストックに付け、準備は済ませてある。
ゴンドラの山麓駅はボードなどを楽しみにきた人々であふれ、家族連れも多い。にぎやかな割にはゆったりした雰囲気なのが、印象的である。
山頂駅で一休みし、人気の少ない場所まで歩く。そこでアイゼンを装着するが、家で試した時にはさっとできたのにうまくいかず、手を貸してもらう。
入笠湿原に入ると、あたりはほとんど真っ白。夏場には緑豊かな「あの」場所と、「この」場所が同じとは思えない。ソリで遊ぶ姿も楽しげである。雪を踏む音や感触が、とても心地よい。
風の通り道では指先や頬がかじかんだが、一瞬のことだ。そのうち全身ポッポとしてきて、首元をゆるめる。滑らないようにと全身を使って歩くから、運動量が大きいのだろう、こんなに気温が低いのに。
細い雪道を丁寧に登り、少し急なところにさしかかる。あたりが白くてわからなかったが、山頂近くまでもう来ていたのだ。
山頂では360度の眺めが、青い空と白い雲の下にある。目に飛び込むのは、八ヶ岳、アルプス、諏訪湖など。そして夏には見られなかった富士山も!
班ごとに下山を始め、途中で昼ごはん、そして山頂駅を経由し富士見駅に無事戻る。今回は集合写真が撮れなかったが、仲間との心に残る山行であることは、いつもと変わらない。