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コラム

インフルエンザ予防のために

野瀬由佳(管理栄養士)

さて猛暑も過ぎさり、ようやく涼しい日がやってきましたね。さて、これで一安心!と思っていたら、今年は猛暑の影響で葉の水分がなくなり紅がいまいちだとか、野菜の値上がりが続くなど大きな足跡を残していったようです。

さて今回の「山を登るとき」は、少しテーマが、山とは離れますが、「インフルエンザと食事」についてお話します。

昨年、猛威をふるった新型インフルエンザ。感染力が強いのが特徴の一つで、薬局では、マスクが売り切れ状態でしたね。もちろん、うがいやマスクの着用は予防に有効ですが、まずはウィルスに負けない体つくりが大切です。そのためには、普段から睡眠や休養、栄養をとってストレスをためないことです。今回はそのうち、食事についてお話します

免疫力を高める食事を!
朝・昼・夜の3食を食べよう

食事の回数が減ると、1日に必要な栄養素が摂取できません。また、1日3食だとしても、昼、夜、夜食の3食では、胃腸の負担になったり、太りやすくなったりなど体への負担になってしまいます。朝、昼、夜食でも同じです。朝、昼、夜の3食を心がけましょう。

主食・主菜・副菜・(果物・乳製品)をそろえよう

栄養計算は面倒でなかなかできません。でも、これらを意識的に揃えることで体に必要な栄養素を摂取できます。また、食卓に多くの色を取り入れることも有効です。

例えば、ごはん、鯖の味噌煮、わかめと豆腐の味噌汁、なめたけのおろし和えのメニューでは、茶色や白で暗い色ですね。その時は、緑の「ほうれん草のおひたし」や、さばの味噌に緑の「ししとう」や「ねぎ」を乗せることで、視覚的に華やかになるのはもちろん、ビタミンなどの栄養素もアップします。

※まずは主食・主菜・副菜をそろえ、気持ちや時間に余裕がある時は、多くの色を取り入れてみましょう。ただし果物や乳製品は朝・昼・夜のどこかに取り入れ食べ過ぎには気をつけましょう。

腸内環境を整えよう!

野菜、海藻、きのこ、豆類を献立に取り入れよう。野菜や海草、きのこに多く含まれる水溶性食物繊維は、腸でビフィズス菌を増やすのに役立ちます。また、豆や穀類に多い不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を促し腸内の老廃物を排泄します。納豆やヨーグルト、味噌などの発酵食品は、善玉菌の餌となる微生物を含み腸内環境を整えます。

また、腸内の活性酸素が増えすぎたり、腸が炎症を起こすと腸の働きが悪くなります。そこで抗酸化ビタミンを多く含む緑黄色野菜(人参、ほうれん草、春菊など・・・)やポリフェノールを含む、豆類、春菊、ブルーベリーなども一緒に採りましょう。

では、もしインフルエンザになってしまったら?
水分をこまめにとりましょう

休養している時にもとりやすいように、枕元に水分を置いておき、こまめに水分補給しましょう。水分補給は水でも十分ですが、ほうじ茶、麦茶、スポーツドリンクは、水分と一緒にミネラルもとれます。ただしスポーツドリンクは糖分も多く含むので飲み過ぎに気をつけましょう。

※緑茶やウーロン茶、紅茶などカフェインを含むお茶は利尿作用があるので避けましょう。

消化しやすくエネルギー効率のようものを!

発熱時は、食欲がなくてもエネルギー消費量が上がるので、まずはエネルギーを補給しなければいけません。アイスクリーム、くず湯、缶詰やくだもの、フルーツジュース、野菜スープなどは無理なく食べられます。

特に野菜スープはビタミン類も補給出来るのでお勧めです。冷蔵庫にある野菜で簡単に出来ます。吸収をよくするため、野菜の皮をむき、普段より柔らかく煮込みましょう。喉が痛い場合は、ミキサーにかけポタージュにすると飲みやすくなります。

備蓄食の準備を!

昨年のように新型インフルエンザが流行した場合、詳しい情報が入るまで外出は控えたいものです。スーパーなどの人ごみを避けることは、個人で出来る感染予防の一つです。

さて、ではどのようなものが備蓄食に向いているのでしょうか?

備蓄食の条件は、日持ちすることですが、日持ちだけにこだわり、カップラーメンなどのインスタント食品ばかりを買い込んでいては本末転倒です。免疫力も落ちてインフルエンザにかかりやすい体になってしまいます。日持ちもするけど、栄養素バランスも整う!!が備蓄食の基本です。

主食

○米、パン、麺類
普段、自炊している人であれば備蓄に心配のない食品です。生麺は日持ちしないので、パスタやうどんなどは乾麺をストックしておくとよいでしょう。日持ちのしないパンは冷凍しておきましょう

主菜

○乳製品、魚、肉、豆製品
これらは、大切なたんぱく源になります。乳製品や卵なら1、2週間であれば日持ちの問題はありませんが、安心のため備蓄食を用意しておくのもよいかと思います。

乳製品は、普段の食生活でも不足しがちなカルシウムを補給することが出来ます。LL牛乳やスキムミルクを備えておくと安心です。

生の魚は日持ちしないので、脱水シートで余分な水分を除き、干物は冷凍保存しておきましょう。魚の缶詰も常備しておくと便利です。肉は冷凍保存、卵はうずらの卵の缶詰を備えておくと便利です。豆製品は、乾物やパウチや缶詰など日持ちするものが多く出回っているので備蓄に最適です。

副菜・副々菜

○野菜、きのこ、海藻
体の調子を整えるミネラルやカルシウム、食物繊維などの供給源になります。日持ちのする、玉ねぎやジャガイモ、冷凍野菜を利用しましょう。

干しシイタケやカットワカメなどの乾物やドライフルーツが備蓄しておくと便利です。