野瀬由佳(管理栄養士)
今年は猛暑の影響で扇風機やビールの売り上げアップというニュースを耳にします。不景気の中、売上アップなんて喜ばしいニュースではありますが、後1~2カ月この暑さが続くことを考えると複雑な気持ちです。
さて、今日は快適な夏を過ごすため、夏バテについてのお話しです。
よく耳にする「ドロドロ血液」という言葉。ドロドロ血液になると、血液の流れが悪くなり血管もつまりやすくなってしまいます。
ところで、このドロドロ血液は、夏の方が冬よりなりやすいって本当?
ドロドロ血液には原因によって3つのタイプがあります。あてはまる項目はありますか?
1.ネバネバタイプさん | ・野菜が嫌いでお肉ばかり食べる。 ・酢の物が苦手。魚をほとんど食べない。 ・揚げ物が大好き。 |
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2.ベタベタタイプさん | ・ストレスが多い。過労。 ・喫煙している。 ・睡眠不足・風邪をひいている。 ・野菜が嫌い。 |
3.ザラザラタイプさん | ・お菓子や果物を食べ過ぎる。 ・甘いジュースをよく飲む。 ・お酒をよく飲む。早食い。 |
急に生活習慣、食生活を変えるのは大変。まずは原因をすることから始め、出来ることから少しずつ始めましょう!まずは・・・
さて次は夏ばてを防ぐコツです。
夏は汗と一緒に体に必要なビタミンやミネラルが排泄されてしまいます。夏野菜は汗で失われがちな水分やビタミン、ミネラルがたくさん含まれています。特に太陽に光をたくさん浴びた夏野菜は、ビタミン類が豊富なうえ、火照ったからだをクールダウンしてくれる働きがあります。
水分も多く熱中症予防やドロドロ血対策にも効果的です。
旬の野菜は、栄養価が高いうえ、新鮮でお手頃価格なところも魅力的!夏の野菜・・・トマト,にがうり,おくら,モロヘイヤ,ピーマン,かぼちゃなど・・・
夏バテにならないためには、エネルギー源となる炭水化物をしっかりとることが大切ですが、炭水化物の代謝を促すビタミンB群を一緒にとることが大切です。夏は、白米をB1の豊富な玄米に変えるのもgoodです!
ビタミンB1は豚肉やまぐろ、ウナギに多く含まれます。土用の丑の日はうなぎ屋さんだけじゃなく私たちにとっても必要な夏の行事かもしれないですね。
今日は、そうめんだけ!!なんて家事を手抜きしたい日には、お惣菜でウナギを買ってそうめんの上に散らしてみては?
ビタミンB1は、にんにくやねぎ類に含まれるアリシンと組み合わせると吸収が高まります。野菜炒めなどで豚肉を使う場合、にんにくを加えると風味もよくなり一石二鳥ですよ!
中医学では食物には食味(味)と食性(性質)があるとされます。五味とは、酸・苦・甘・辛・鹹(塩味)のことで、酸味は収斂作用、苦味は消炎作用、甘味は滋養強壮、辛味は発汗作用、鹹は軟化作用があると言われます。五性とは、寒・涼・平・温・熱の5つの性質です。
寒・涼は体を冷やし(寒の方が性質が強い)、温・熱は体を温めます(熱の方が性質が強い)。この五味五性の性質を組み合わせ体を平の状態に保とうとするのが中医学の考え方です。
例えば、夏に体を冷やしたいときは、寒や涼の性質をもつ夏野菜を食べるのがよいのですが、冷房などで体が冷えていたり、胃腸が弱っているときには、加熱したり、しょうがやみょうが、たまねぎなどの辛の食物と合わせて作用を弱めます。
冷房と暑い外気の繰り返しで冷え症など血行の悪い人は、発汗作用のある「辛で温」や「辛で熱」の食材がお勧めですが、辛で熱の食材(こしょう、からし、とうがらし)は作用が強いので、さんしょう、わさび、しょうが、青じそ、たまねぎ、ねぎ、らっきょう、にんにくなど「辛で温」の食材でゆっくりと血行を改善するのがよいでしょう。
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