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FRCCの活動

FRCCでは、登山を通じて女性がん体験者のQOL(Quality of Life)向上を目指しています。

コラム

高血圧について

野瀬由佳(管理栄養士)

紅葉シーズンも終わりを迎え、そろそろ寒い冬の季節がやってきます。冬場は、温かい室内と外気の温度差が大きく、急な温度変化によって脳卒中などの重大な病気のリスクが上がる危険性があります。今日は、それらを引き起こす原因とされる「高血圧」について話をします。

高血圧は、「血圧が高い」ほかに目立った症状がないため、つい軽視されがちですが、放置しておくと、重大な病気の引き金になりかねません。

血圧はさまざまな要因で変化し、寒い冬場は夏よりも高くなります。また、環境や状況に応じて絶えず変化しています。登山でも、環境が変わったり、重い荷物を持ったり急に歩き始めたり息んだりすることで、血圧は大きく変動します。急な変動を和らげるため普段から高血圧に気をつけ、楽しく安全な山行にしていきましょう!

血圧って何?

血圧は、血管の内壁にかかっている圧のこと。
塩分を多く摂取すると過剰な塩分を排泄しきれずに、血液中にナトリウムと水分がたまり血管の内圧を上げ、高血圧の原因になります。

加工食品に注意!

加工食品は美味しくするためと保存性を高めるためにたくさんの食塩が添加されています。食べすぎには気をつけましょう。

1日に必要な食塩量って何グラム?

なんと・・・1日に必要な量は、たった1.3gです。
この量は、食塩を添加しなくても食材のNa量で充分に摂取できる量です。現在、日本人の1日の平均の食塩摂取量は10gを越えています。
世界には、食塩で味付けする習慣がなく1日の摂取量が3g以下の集団もいます。しかし、嗜好性を考えると全く使用しないことは難しいと思います。工夫して味付けし、減塩していくことが大切です。

カリウムは、ナトリウムの体外排出を促進します。カリウムは野菜や果物、芋類、豆類に多く含まれます。これらを積極的に食べましょう。ただし果物は果糖が含まれますので果物の食べすぎには注意しましょう。

減塩のコツ
  • 温かいうちに食べる。
    料理は温かい方が、塩味が少なくても美味しく食べられます!
  • 香辛料や酢を使って減塩する。
    香辛料や酢でしっかり味をつけましょう!
  • 表面に味をつけましょう。
    中に味を浸みこませるより、表面につけて食べる方が小量の塩分でも味を感じます!
  • 汁物の量に気をつけましょう。
    汁物は具をたくさん入れ素材の味を楽しみましょう!薄味にしてもたくさん飲んでしまっては減塩にはなりません。飲む量に気をつけましょう!
  • 味覚チェック~このすまし汁は濃い? 薄い?~

    【温かいだし汁 150g  塩 0.7g  しょうゆ1.2g】

    上のすまし汁の塩分は約1.0g、濃度は0.6%です。1日の食塩の摂取量を考えると、すまし汁の調味%は0.6%程度にするのがよいと考えられています。この味が薄いと感じる人は、薄味に慣れるようにしましょう!

    薄味に慣れるために

    コツは焦らずゆっくりと!
    味覚は10日ほどで慣れると言われます。少しずつ薄味にしていくことで、無理なく減塩することができます。