野瀬由佳(管理栄養士)
夏の暑さから解放され肌寒い日が出てきましたね。スーパーに行くと、松茸や柿など秋の味覚が並んで秋の気配を感じます。さて今日はこれからの季節に備え、冷え症についてお話します。
冷え症とは、血行不良によって体の末端部分がほかの部分に比べて極端に冷たくなることを言います。今では、エアコンの普及で夏でも冷え症に悩まされる方が多くなってきました。冷暖房による外気と室内の急激な温度変化は自律神経に変調をきたし、冷え症を招きやすくします。
今年の冬は血行を促進し冷え症知らずの体で過ごしましょう。
手足が冷たい、腰が冷えるなどの症状があります。ひどくなると寒くて眠れないことや、頭痛やめまい、便秘、関節の痛みなどが生じる場合があります。
まずは、原因を考えてみましょう。
血行を促進し保温効果を高めましょう。例えば1日の疲れをとるお風呂。シャワーだけで済ませていませんか?お風呂にゆっくりつかることで身体も心もゆっくり休めることができます。特に冷え症の方は入浴の習慣をつけましょう。
効果的なのは半身浴。湯船に下半身だけ浸かります。ポイントは38~40度までの少しぬるめのお湯で20~30分ゆっくり浸かりましょう。熱いお湯では、ゆっくり出来ず、体の表面しか温まりません。
心臓から遠い下半身を長時間ゆっくりと暖める事で、溜まっていた血液の流れをよくさせ、全身に温かい血液が巡ります。お風呂に入る前はとあがった後には、水分補給も忘れずに行いましょう。
基本は主食・主菜・副菜がそろった食事です。多くの食品を摂取することで必要な栄養素をバランスよく摂取することができます。
ただし、食品の中には体を冷やすと考えられる食品もあります。しかし、冷え症対策には、いろいろな食品を使ったバランスのよい食事が一番です。これらは食べないのではなく、調理方法などを工夫して食べるようにしましょう。
東洋医学では食べ物を陽性「からだを温めるもの」と陰性「体を冷やすもの」に分けています。例えば唐辛子に含まれるカプサイシンには発汗や血行を促進して体を温める働きがあります。また寒い日にしょうが湯を飲むと体がポカポカして温まりますよね。
冬が旬の野菜や魚は体を温める陽性の食品が多くあります。逆に夏が旬の食べ物は体を冷やす食べ物が多いと言われています。
例えば「秋茄子は嫁に食わせるな」の語源の1つとしては、「茄子は体を冷やすので大切な嫁には食べさせるな」という意味があると言われます。旬の食べ物を食べることで夏は涼み、冬は体を温めてくれます。
このように旬の食べ物は、美味しいだけでなく私たちの体にも優しくなっています。毎日の食卓に旬のものを出していきたいものです。
○体を温める食べ物
れんこん、ごぼう、ねぎ、人参などの根菜類、納豆、ごま、味噌など
○体を冷やす食べ物
きゅうり、トマト、冬瓜、バナナ、レタス、ほうれん草など
コーヒーや紅茶、アルコールは体を冷やすので、飲みすぎには気をつけましょう。たまにはハーブティーなどで気分転換してはいかがでしょうか?加工食品や砂糖の大量摂取は血行不良の原因になるので気をつけましょう。
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